2012年6月2日土曜日

【第2回「カミヒコウキ」フューチャーセッション実施報告 その1】福島の未来を創るための「手がかり」を掴む9つの問い

フューチャーセンターウィークに「カミヒコウキ」が企画したセッション、対話から創ろう!福島のビジネスモデル「福島の未来はどうあるべきか?」が終了しました。


通常、「カミヒコウキ」では企業のビジネスモデル課題をテーマにセッションを企画します。しかし、今回は、私にとって一段と思い入れの強い福島をテーマに、福島が抱えている課題を、新たなビジネスモデルによって解決していくための最初のステップとして企画しました。

セッションデザインとしては非常に難しいテーマでした。

避けて通れないのは、福島と原発事故、それによる風評被害。
だからといって、未来を創ろうとしている時に、原発事故が起こったからダメだ、とあきらめてはダメだと私は思いました。

受け入れて行動する、そんな活動をすでに実践されている方に話題提供いただくことが、未来を創るためには必要でした。

また、参加者も福島にゆかりのある人でないと、自分ごとで話せないだろう、という考えから、参加条件を決めました。

その結果、話題提供者としては、片平晋作さん(セレーネ イタリアンジェラート経営)、橋口直幸さん(NPO法人こどもの森ネットワーク理事長)の2名。

参加者は、都内にいながらも福島に熱い想いを持つ、学生、社会プロジェクト代表、主婦、システム開発関連、プロデューサー、企業経営者、といった多様な方々が集いました。

これで、フューチャーセッションとしての準備が整い、いよいよセッションスタートです。



まずは、開始前までの時間で、恒例の名刺交換。
福島のどちら出身ですか?
(もはや年齢差など関係ない)

セッションのスケジュール。
ダイアログから気づきを得て、福島の未来シナリオをプロトタイピングをする強引な(?)設計。
今回のセッションの流れ

チェックイン。
私から今日の主旨説明。いつもの三原則に加え、今日は特別に「福島弁OK」の原則が追加された(笑)。

いつもの「カミヒコウキ」三原則
福島弁で、真剣に今日の場の原則を共有。

そして、参加者の方々が、多角的な視点をインプットしてダイアログができるよう、「企業経営の視点」と「NPO活動の視点」から話題提供。

最初は、企業経営の視点から片平さん。
片平さんは、福島では有名な「まきばのジャージー」というアイスクリーム店を経営。2012年の1月に品川に「セレーネ イタリアンジェラート」を出店し、東京進出。

経営の視点からは、農家と行政の間をつなぐ人材や情報伝達に課題があるという。
受け入れて、許すことからはじめなければ、
何もはじまらない。

次に、NPO活動の視点から橋口さん。
橋口さんは、福島の猪苗代から駆けつけてくださった。
NPO活動としては、子供の外遊び支援を行なっており、様々な企画を立てて、実行している様子をスライドや写真で紹介。

子供に遊べる場、環境を提供する気持ちはあるが、コストもかかる。
理解を示し、協力してもらえるところもあれば、そうでないところもある。
自然の中で子供たちが遊べる場を提供することは、
子供の将来にとって大事なこと。


2名の話題提供を受けて、質疑応答の後、参加者皆さまでダイアログ。
テーマは、「ここがイケてる福島。ここがダメだよ福島。」

イケてる福島、ダメだよ福島、をテーマに対話する福島人たち。
イケてる福島
自然豊か、首都圏近い、食べ物おいしい、人があたたかい、のんびりしている

ダメだよ福島
自分たちがどうしたらよいか伝えられない、巻き込みベタ、PRが弱い、仙台コピペ、のんびりしすぎている

イケてる福島。ダメだよ福島。
多くの福島人は納得する(だろう)。

この対話の後、福島の未来シナリオを創るプロトタイピングへ。
3名3グループがそれぞれのシナリオを検討し、シェア。





そして、シェアされた内容がこちら。

・おとなしい福島県人が積極的に問題解決できる仕組み「Social Start Up」
無理やりひねり出した名前が、意外と好評!
・偏見の解消+αで地域県のプレミアを付ける
将来的にビジネス化できそうなネタ
・ウジウジからキラキラへ
精神的な課題を解決するためのビジネスへ

ここまでの対話から、福島の未来に対して様々な可能性、希望が見出されてきました。
しかし、これで終わっては単なるワークショップ。フューチャーセンターとしては、実行への協調的なアクションを起こし続けていくことが本質です。

そのためには、これから未来を創るために協調して行かなければならない人々を巻き込んで、アクションを起こしていかなければなりません。
(福島人が人々を巻き込んで活動していくことが苦手であることを忘れてはならない!)

そこで、協調してアクションを起こしていく人々を巻き込むための大切な問いを、各自5分考えてから、最後に共有しました。

福島の未来を創るための「手がかり」を掴む9つの問い

各自の大切な問いを共有
1.福島のよさって何だろう?
2.子供たちに福島で生まれ育ってよかったと感じさせるには?
3.子供からみてカッコイイ大人とは?
4.福島県民と打ち解けるには?
5.福島が100年以上続くコミュニティであるためには?
6.いかにつなぐか?
7.福島県民と東京の方の間に手助けできるようなサポートをつくるには?
8.福島の情報をリアルタイムにかつ興味深く伝えていくためには?
9.福島の子供が夢をもてるためにあなたは何ができますか?


これらの問いを元に、次のセッションデザインを行い、さらなる活動につなげていく予定です。
今後、カミヒコウキでは、通常の企業のビジネスモデル課題をテーマとしたセッションだけでなく、定期的に福島シリーズのセッションも行なっていきます。

そして、最後はみんなでお疲れでしたの一杯。(大七もあるよ。)

関連リンク

森の楽校フォレストランド:磐梯高原をフィールドに、四季を通して様々な自然体験プ ログラムを展開している自然学校
セレーネ イタリアンジェラート:エプソン品川アクアスタジアム ドルフィンパーティ内にあるイタリアンジェラート店
Link with ふくしま:福島の若者が中心となって集まり設立した団体
あいべ福島プロジェクト:福島の被災地の支援活動、ボランティアを行っている、青山学院大学から生まれた学生団体
株式会社グラグリッド:本セッションを企画した「カミヒコウキ」の運営会社