2012年6月4日月曜日

【第2回「カミヒコウキ」フューチャーセッション実施報告 その2】参加者の声

6月1日に実施したフューチャーセッション、対話から創ろう!福島のビジネスモデル「福島の未来はどうあるべきか?」に参加者した皆さまの感想です。

まずは、「今回のテーマに対して得られた皆さまの気づき」について。
皆さまの気づきから、楽しく、真剣に、福島と向きあえば、未来への希望が開けてくることが分かりました。










そして、本日参加しての感想。
フューチャーセンターとしての狙いでもある、異なる背景を持った人との対話に魅力を感じてもらったようです。セッションをデザインしたディレクター、ファシリテーターとして素直に嬉しく思います。











今回は、片平さん、橋口さんの話題提供で、一気に参加者全員が問題意識・課題を共有できたと思います。その真剣さ、切実さ、やはり実際に活動している人の言葉には重みがあるなと実感しました。

この熱を次に生かしていくぞ!

関連リンク

2012年6月2日土曜日

【第2回「カミヒコウキ」フューチャーセッション実施報告 その1】福島の未来を創るための「手がかり」を掴む9つの問い

フューチャーセンターウィークに「カミヒコウキ」が企画したセッション、対話から創ろう!福島のビジネスモデル「福島の未来はどうあるべきか?」が終了しました。


通常、「カミヒコウキ」では企業のビジネスモデル課題をテーマにセッションを企画します。しかし、今回は、私にとって一段と思い入れの強い福島をテーマに、福島が抱えている課題を、新たなビジネスモデルによって解決していくための最初のステップとして企画しました。

セッションデザインとしては非常に難しいテーマでした。

避けて通れないのは、福島と原発事故、それによる風評被害。
だからといって、未来を創ろうとしている時に、原発事故が起こったからダメだ、とあきらめてはダメだと私は思いました。

受け入れて行動する、そんな活動をすでに実践されている方に話題提供いただくことが、未来を創るためには必要でした。

また、参加者も福島にゆかりのある人でないと、自分ごとで話せないだろう、という考えから、参加条件を決めました。

その結果、話題提供者としては、片平晋作さん(セレーネ イタリアンジェラート経営)、橋口直幸さん(NPO法人こどもの森ネットワーク理事長)の2名。

参加者は、都内にいながらも福島に熱い想いを持つ、学生、社会プロジェクト代表、主婦、システム開発関連、プロデューサー、企業経営者、といった多様な方々が集いました。

これで、フューチャーセッションとしての準備が整い、いよいよセッションスタートです。



まずは、開始前までの時間で、恒例の名刺交換。
福島のどちら出身ですか?
(もはや年齢差など関係ない)

セッションのスケジュール。
ダイアログから気づきを得て、福島の未来シナリオをプロトタイピングをする強引な(?)設計。
今回のセッションの流れ

チェックイン。
私から今日の主旨説明。いつもの三原則に加え、今日は特別に「福島弁OK」の原則が追加された(笑)。

いつもの「カミヒコウキ」三原則
福島弁で、真剣に今日の場の原則を共有。

そして、参加者の方々が、多角的な視点をインプットしてダイアログができるよう、「企業経営の視点」と「NPO活動の視点」から話題提供。

最初は、企業経営の視点から片平さん。
片平さんは、福島では有名な「まきばのジャージー」というアイスクリーム店を経営。2012年の1月に品川に「セレーネ イタリアンジェラート」を出店し、東京進出。

経営の視点からは、農家と行政の間をつなぐ人材や情報伝達に課題があるという。
受け入れて、許すことからはじめなければ、
何もはじまらない。

次に、NPO活動の視点から橋口さん。
橋口さんは、福島の猪苗代から駆けつけてくださった。
NPO活動としては、子供の外遊び支援を行なっており、様々な企画を立てて、実行している様子をスライドや写真で紹介。

子供に遊べる場、環境を提供する気持ちはあるが、コストもかかる。
理解を示し、協力してもらえるところもあれば、そうでないところもある。
自然の中で子供たちが遊べる場を提供することは、
子供の将来にとって大事なこと。


2名の話題提供を受けて、質疑応答の後、参加者皆さまでダイアログ。
テーマは、「ここがイケてる福島。ここがダメだよ福島。」

イケてる福島、ダメだよ福島、をテーマに対話する福島人たち。
イケてる福島
自然豊か、首都圏近い、食べ物おいしい、人があたたかい、のんびりしている

ダメだよ福島
自分たちがどうしたらよいか伝えられない、巻き込みベタ、PRが弱い、仙台コピペ、のんびりしすぎている

イケてる福島。ダメだよ福島。
多くの福島人は納得する(だろう)。

この対話の後、福島の未来シナリオを創るプロトタイピングへ。
3名3グループがそれぞれのシナリオを検討し、シェア。





そして、シェアされた内容がこちら。

・おとなしい福島県人が積極的に問題解決できる仕組み「Social Start Up」
無理やりひねり出した名前が、意外と好評!
・偏見の解消+αで地域県のプレミアを付ける
将来的にビジネス化できそうなネタ
・ウジウジからキラキラへ
精神的な課題を解決するためのビジネスへ

ここまでの対話から、福島の未来に対して様々な可能性、希望が見出されてきました。
しかし、これで終わっては単なるワークショップ。フューチャーセンターとしては、実行への協調的なアクションを起こし続けていくことが本質です。

そのためには、これから未来を創るために協調して行かなければならない人々を巻き込んで、アクションを起こしていかなければなりません。
(福島人が人々を巻き込んで活動していくことが苦手であることを忘れてはならない!)

そこで、協調してアクションを起こしていく人々を巻き込むための大切な問いを、各自5分考えてから、最後に共有しました。

福島の未来を創るための「手がかり」を掴む9つの問い

各自の大切な問いを共有
1.福島のよさって何だろう?
2.子供たちに福島で生まれ育ってよかったと感じさせるには?
3.子供からみてカッコイイ大人とは?
4.福島県民と打ち解けるには?
5.福島が100年以上続くコミュニティであるためには?
6.いかにつなぐか?
7.福島県民と東京の方の間に手助けできるようなサポートをつくるには?
8.福島の情報をリアルタイムにかつ興味深く伝えていくためには?
9.福島の子供が夢をもてるためにあなたは何ができますか?


これらの問いを元に、次のセッションデザインを行い、さらなる活動につなげていく予定です。
今後、カミヒコウキでは、通常の企業のビジネスモデル課題をテーマとしたセッションだけでなく、定期的に福島シリーズのセッションも行なっていきます。

そして、最後はみんなでお疲れでしたの一杯。(大七もあるよ。)

関連リンク

森の楽校フォレストランド:磐梯高原をフィールドに、四季を通して様々な自然体験プ ログラムを展開している自然学校
セレーネ イタリアンジェラート:エプソン品川アクアスタジアム ドルフィンパーティ内にあるイタリアンジェラート店
Link with ふくしま:福島の若者が中心となって集まり設立した団体
あいべ福島プロジェクト:福島の被災地の支援活動、ボランティアを行っている、青山学院大学から生まれた学生団体
株式会社グラグリッド:本セッションを企画した「カミヒコウキ」の運営会社

2012年5月29日火曜日

福島のビジネスモデルがテーマのフューチャーセッション。参加者の多様性を確保するために持たせた参加条件とは?

フューチャーセッションでは多様性のある参加者が大事でも書きましたが、フューチャーセンターで行われるフューチャーセッションでの出会いと気づきは奇跡的なものがあると思います。そのためには、「共通の想い」と「異なるバックグラウンド」を持つ参加者が集わなければなりません。

「カミヒコウキ」では、フューチャーセンターウィークに合わせて、6月1日(金)に第2回フューチャーセッションを行います。テーマは「福島のビジネスモデル」。

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対話から創ろう!福島のビジネスモデル(参加応募締切は、5月30日13:00まで)
2012年6月1日(金)17:00~20:30 場所:東京都渋谷区

詳細情報
http://kokucheese.com/event/index/38083/
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今や福島と言っただけで社会課題となってしまったテーマに敢えて望みます。
そこに、どんな参加者の多様性をもたらせるか?
しかし、テーマはそう軽いものではない。
原発廃止だ!の議論で終わらないか?

そんな中でも、我々は未来を描かなければならない。

そこで、今回は共通の想いを持つ人ということで「福島人(福島出身、福島にゆかりのある人)」縛りを参加条件にしました。

そうすると、多様性が生まれないのでは?似たような人が集まるのでは?
そんな懸念もありました。

しかし、現在、話題提供者も含め、店舗経営者、NPO理事、主婦、学生、学生団体リーダー、ソフトウェア開発部長、プロデューサー・・・といった方々が集まっています。

故郷に対する「共通の熱い想い」と「異なるバックグラウンド」を持つ参加者が、フューチャーセッションを通して何が生まれるのか?

これを、次へのアクションのきっかけにして、新たなビジネスを生み出して、実現していきたいと強く思っています。

フューチャーセンターとしてあるべき大切なことは、他のフューチャーセンターのセッションに参加すること

フューチャーセンターウィークでは、日本各地で様々なテーマのもとフューチャーセッションが行われています。

恒常的にフューチャーセッションが行われている場をフューチャーセンターと呼ぶ、という定義に従えば、自分がディレクションしているフューチャーセンターでセッションを継続して行うことは、絶対的な条件となります。

ただ、それだけでは、社会的にインパクトを与える動きが、できないわけではないけど、なかなか動きにくいと思います。

そのため、フューチャーセンターのディレクターとして大切なことは、他のフューチャーセンターで開催されるフューチャーセッションに参加すること。
そうすることで、一見関係ないと思われるフューチャーセンター間のネットワークが生まれます。そのつながりが拡大していくことで、解決が困難であった社会課題を解く糸口が生まれるものと思います。

そういうわけで、フューチャーセンターウィーク中に行われた、
【ありがとうバンク】#1:人が「感謝」で変わる瞬間〜そして未来が創られる〜
のセッションに参加してきました。

ありがとうバンク設立者の堀井さん
ありがとうバンクとは、「感謝や優しさが目に見える社会価値となり、ペイフォワードされる仕組みを創る」フューチャーセンターです。

セッションには約70名の参加者が集まりました。
(すげぇなぁ・・・「カミヒコウキ」は10名で部屋いっぱい。)

セッションでの対話を通して、感謝することについて、自分自身よく考えるよい機会となりました。
特に、「責任では人は動かない、感謝ベースで動けば何でもできる!」といったことが会場でシェアされた時に、私としては様々なビジネスモデルを考えるときのヒントをお土産として持ち帰ることができたと思いました。

そして、たまたま帰り道が同じ方向だった野村恭彦さんと、帰り道ダイアログ。
帰り道は、振り返りをするにはよい場(?)ですね。

今後、いろいろなフューチャーセッションが各地で開催されていくことと思います。
まずは、「カミヒコウキ」でのフューチャーセッションを開催することが大事ですが、他のフューチャーセッションにも、(いろいろな業務を調整しながら)参加していこうと考えています。


参考文献
フューチャーセンターをつくろう ― 対話をイノベーションにつなげる仕組み(野村 恭彦 著)

2012年5月20日日曜日

「カミヒコウキ」の展望

「カミヒコウキ」では、2年で50回のフューチャーセッションを行うこと。
そして、各フューチャーセッションから得られた気づきと気づきをかけ合わせて、社会課題を解決する新しいビジネスモデル、サービスを生み出すことをねらっています。

だから、全てのセッションが、きっとどこかでつながっているんです。
そう信じて、これからセッションやっていきます。

その意味で、特別セッションとしていた次回のテーマも、「カミヒコウキ」としては第2回目のフューチャーセッションとして位置づけることにして、管理をしやすくしたいと思います。


第1回フューチャーセッション(2012年5月9日) 
「企業が本当に良いと思っているモノ(商品・サービス)を、消費者、そして社会へどう伝えるべきか?」

第2回フューチャーセッション(2012年6月1日予定
「福島の未来はどうあるべきか?」

第3回フューチャーセッション(未定)
「課題を持ち込んでみたい企業・団体を募集中です(お問合せはこちらから)」

続く。

2012年5月18日金曜日

2012年6月1日「カミヒコウキ」は、フューチャーセンターウィークにフューチャーセッション開催します


フューチャーセンターネットワークが主催するフューチャーセンターウィークが、5月26日から開催されます。
フューチャーセンターウィークは、様々なセクターでフューチャーセンター立ち上げをめざす人たちが、それぞれのテーマで、その第一歩のフューチャーセッションを同時に開催するイベントです。
(野村さんFacebookコメントより)
ウィークでは、50近くのフューチャーセッションが日本各地で開催されます。
まさにこれから日本で何かが動き出そうという、ワクワク感がありますね。

そして、カミヒコウキも、このウィークでセッションを行います。
今回は特別セッションとして、対話から創ろう!福島のビジネスモデル「福島の未来はどうあるべきか?」がテーマです。

なぜこのテーマか?
それは、私の個人的な想いが強いからです。
フューチャーセッションの機能を使えば、きっと何か解決できるだろう。
そんな想いでカミヒコウキを立ち上げたきっかけにもなっているテーマです。

セッションは、6月1日(金)の17:00~20:30(受付は16:30)。
お申込みは、下記のリンクからお願いします。
http://kokucheese.com/event/index/38083/


話題提供者も面白いです。

企業経営の視点から、福島では有名なジェラートのお店「まきばのジャージー」を経営。最近では、品川に「セレーネ」というお店を出店し東京進出を果たした片平さん。

そして、NPO活動の視点から、子供の外遊び支援を精力的にされている「森の楽校フォレストランド」の橋口さん。橋口さんのお話は情熱的で、心に染み入ります。

そんなお二人に話題提供してもらい、参加者同士でのダイアログに突き進みます。

福島の未来は明るいのだ!

2012年5月15日火曜日

フューチャーセッションでは多様性のある参加者が大事

この数回は、第1回のセッションを振り返っての気づきをまとめていきます。

今回は「参加者」について。

フューチャーセンターの魅力のひとつに、「未来のステークホルダー」に出会える場であることが挙げられます。
フューチャーセンター・セッションでの新たな出会いが、あなたの仕事や人生の意味を一変してしまうかも知れません。未来のステークホルダーとは、そういう触媒のような人達のことです。
-フューチャーセンターをつくろう(野村恭彦 著) p.152-

そして、カミヒコウキでのセッションでは、下記のような職種の方々が集まりました。

●営業・経営
●CRM関連サービス
●研究員
●受付
●建築・不動産
●営業・事業開発
●コンサルティング
未来では、ステークホルダーになるかも知れない人々
それぞれ扱っている商材は異なりますが、「いいものを、どう伝えるか?」という点では共通の課題を持たれていました。

その共通の課題をもとに、ダイアログから、その人にとっては奇跡的な気づきがいくつも生まれました。一例ですが、女性に伝わる情報の出し方についての着眼点、工夫について「コミュニケーションのダイエット」が重要、など。

※参加者皆さんの感想をまとめた振り返りシートは、後日公開予定。

普通には出会いない人々が・・・異業種の(研究員☓マーケター)
明るい未来を創造

第1回は、フューチャーセッションを実施する、というところまでで終了ですが、本来は得られた気づきを大事にしながら、さらなるプロトタイピングセッションやユーザーの行動観察などを行い、アイデアをより具体化する活動に入っていきます。

それと同時に、ここで知り合った人同士が、さらに新たなステークホルダーを巻き込み、実現に向けたアクションをとることも合わせて行なっていきます。

今回実施して嬉しかったのは、セッションが終わってから「このメンバーで何かやりたいね」というコメントがあったこと。
まさに、参加者の多様性から生まれた気づきと出会いから、新しい未来がスタートしようとするときに生まれる言葉ではないでしょうか。
しかし、単に多様性を持った参加者を集めればよいわけでもない意味も今回実施して分かりました。これも追々。

いろいろな気づきを得ながら、「カミヒコウキ」は、新しい未来を生み出す装置として、これからも活動を展開していきます!